第三章・ー最後の一人ー

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 理由がよく分からないんだけど、ここは一つ華麗にスルーしちゃって話を進める事にする。 「一緒に行こう?」 「……」 「街の案内もしてもらいたいし」 「集がいるなら集にしてもらえ」  それなのに、ちょっと黙った後にようやくの事で出てきた言葉がそれで、僅かに胸が痛むけど正論だなとも納得出来たので、秋君から視線を逸らす。 「それは、そうだけど。せっかく許可もらえたのに」 「三人で何をしろって?」 「遊ぶの」 「元々俺の我儘のせいで集につけ込まれているんだろうが」  うわっ。不機嫌な秋君って取りつく島もない。  正論しか言わない上に逃げ道とかも作ってくれない。めっちゃ怖い。  そんなに休みの日にまで集君と顔を合わせるのが嫌なのかな。  休日に友達と遊ぶのって、とっても楽しい行事の筈なんだけどなぁ。 「じゃあ、どうしても行かないの?」 「行ったって邪魔なだけだ」 「誰が?」 「俺が」  ……ん? 何で秋君が邪魔者扱い? どちらかというと、私がそこに分類されるのでは……。
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