グリストルム

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「アイラ、実は天然」 それを見てたシュアンが、ボソリ。 危うく"だな"と反応しそうになるも、そこはニコニコ顔のアイラに免じて堪えた。 「さて、それじゃ俺達はグリストルムへ戻ろうか。イルハムさん、後は任せるので、宜しくお願いします。エルマさんも、頑張ってな」 頷く2人に手を振り、グリストルムの宿へと戻って来た。 「ふぅ、疲れたわい。 どうにも、マヒナ殿が現れると、吾輩は緊張してしまうでな。 アモン殿、一体マヒナ殿は何を連れておられるんじゃ」 「おぉ、和尚殿は気付かれておいででしたか、流石妖魔ですな。 あれが連れておりますのは、白狼の従魔。 その群の長が、常にマヒナには付いております故、妖魔である和尚殿にはその気が伝わるのでしょう」 「えっ?お母様に従魔が?」 「うむ、元々はキアナの従魔じゃった。 キアナは従魔術の使い手でな、魔獣である白狼とヒルヴェラ家の従魔獣としての契約をしたのじゃ。 そもそも、ヒルヴェラの紋章に有る様に、白狼は当家とは縁深き魔獣じゃが、使い手が途絶えて契約が途切れておってな、それをキアナが結び直したのじゃ」 「つまり、アイラの代になったら」 「アイラが引き継ぐ事になる」 「アイラちゃんが、白狼使い…」 「未だ未だ、じゃがな」 「白狼に何をさせてんだ?」 「ヒルヴェラ家の女の秘密故、儂も詳しくは知らされておらなんだが、多分は隠し里の守護や近隣山岳の治安維持じゃろう」 「成る程、それなら辻褄が合うか。 となると、おそらく土楼にも配置されるんだろうから、和尚は大変だ」 「和尚様、痩せる?」 シュアン、面白い事を…そら楽しみだ。 「吾輩は、相手が分かって慣れれば問題は無いわい。 それより、と言う事はじゃ。 仁とアイラの夫婦には、獅子に龍に白狼までもが憑いておる事になるのか」 「白虎が…足りない」 おいっ!フラグになるから此処で出すな。
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