森の番人と温泉と

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アモン達一行が出掛けると、見張りを3人に任せその場で横になった。 此れなら、何かあっても直ぐに対処出来る。 まぁ、結局何事も無く日の出前に目が覚めると、既にアモン達は戻ったらしくお茶を飲んで居た。 「早かったな」 「うむ、トンネルが此処から2キロ程の所から始まっておってな、岩場の奥にある野砲陣地の直ぐ側まで続いておった。 まぁ、向こうはトンネルに気付いておらん様じゃがな」 「て事は、今度は其処まで魔法で跳べば良いんだな?」 「いや、魔法感知の結界が張られておるから、歩いて行くしかない。 彼方の魔術師も、中々の腕をしておるぞ」 「そりゃ厄介だ…。 それじゃ、奴等が目を覚ます前に、ニイタカヤマノボレと行くか」 「なんじゃ?そのニイタカヤマノボレとは」 「奇襲作戦開始って事だよ、行こう。 今回は、通常装備プラスになるから、俺とアイラとシュアンは分かれよう。 アメリアは、誰に弾薬装填頼む?」 「ロンロンには、かなりの高機動して貰うから、落ちる心配の無いキヨに頼むわ。 キヨ、良いわね?」 すると、少年飛行兵の様な出で立ちのキヨが、ポンッと現れて。 「うぃ!」 と、サムアップした。 「何だキヨちゃん、随分やる気だな」 「総力戦だべ、キヨちゃんもやっとぎはやんだ」 「キロ殿は、武器の取扱をジェスから習ったの?」 「小火器はのぉ、指が太くて入らんでな… ロケットランチャーと無反動砲とか言うのは使えるぞ。 迫撃砲は、儂が二台纏めて運ぼう」 「いや、運ぶのはアモンがやってくれるから、迫撃砲の撤収時にジェスを手伝ってやって下さい。 迫撃砲は、陣地変えが重要だから」 「ほぅ、仁も分かって来たな」 ジェスがニヤニヤしながら、揶揄って来た。 「そりゃ、こんな所に乗り込んで来る様なオヤジが居たんじゃな。 後は、メイリンとマオマオは機動力を活かして掻き回せ、アイラとリラ、シュアンとクレアは敵が発砲したら、其処を叩いてくれ。 1度押したら、直ぐに引いて構わない。 敵を引き摺り出したら、また押し戻す、これの繰り返しで数を削ろう。 それに、それで野砲は使い辛くなると思う」 「仁さんは?」 「岩場に潜入して、魔術師を始末する」 「また…無茶な事を」 「いや仁、殺してはならん。 其奴が向こうへの入り口を開いたら、そこへ有りったけの火器を叩き込むのじゃ。 それで向こうの入り口は壊れる。 その後で、こちら側の出口を破壊すれば、二度と戻っては来れんじゃろ」 「成る程、サーモバリックの出番って訳か」
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