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「最初は本気で、カメオを宇宙に放り出してやろうかとも思ったけどさ。
どの位の捕虜が居るのか分からないけど、あの魔術師も捕虜も、この世界に残して行く訳には行かないだろ。
だから、奴の申出は願ったり叶ったりでは有るんだよ、でも奴等の世界が此処には来なくても、また何処かを侵略しようとするかも知れない、それも止めさせたい。
だから、奴がどの位使えるか、本気度も含めて推し量ってたんだ」
「なら、何処に通路を繋ごうとしても、このカメオに繋がる様にすれば良いんじゃない?
そして、そのカメオを私達が持ってれば良いんでしょ?」
「そんな事、出来るん?」
「私を誰だと思ってるの?
神よ、神、女神様よ、そんな事位容易い事。
但し、1度向こう側へ行く必要は有るけどね」
「つまり、向こう側の起点となる目印なりに神通力を掛けると?」
「そう言う事になるわね」
「分かった。
なら奴等を連れて、俺達も乗り込んでやるか。
それじゃ、未だ抵抗してる奴等にさっさと白旗上げさせてくれ。
俺は、奴から向こう側の詳しい話を聞き出すとする」
アメリアはニッコリ微笑むと突然キスして、ロンロンに飛び乗って行った。
戦う女神は、こんな時でも抜け目は無いか。
洞窟に戻り、向こう側からどうやって此処へ繋いで居たのか、そもそも何故此処へ来れたのか等、必要な事を質問すると、家族を守りたい一心で素直に答えた。
「さて魔術師君、君の妻を思う心を信じて、此れを宇宙に放り出すのは止めよう。
それに、君と捕虜達も元居た世界へ返してもあげるよ。
勿論、それには条件がある訳だが」
「それはどの様な…」
まるで命乞いでもするかの様に、足に縋り付いて来た。
おいっ!こっちが罪悪感を持つ様な縋り付き方はやめろ!
「君等の世界が2度とこの世界へ来れない様にするのは容易い事だが、君達はまた違う世界で同じ事をするかも知れないし、施設を壊してもまた作るだろうから、それじゃ意味が無い」
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