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「それじゃ、条件と言うのは何でしょうか」
「首謀者とそれを後押しする者達に、異世界へ手を出すと如何なるかって事を、学んで貰わなきゃならない」
「それは、貴方達から攻撃を受けて、学んだのでは無いかと…」
「それは如何かな?
為政者やマッドサイエンティストってのは、物欲が半端無いから、1度負けたなら負けないだけの数を送れば良い位にしか、考えて無いかも知れないし、此処がダメなら他に行けば良いって考えるかも知れない。
奴等にとっちゃ、人の命なんて消耗品だ、減れば増やすだけだろ?
だからお前も、妻が動員されると思ったんじゃ無いのか?」
「それじゃ、排除すると…」
「そうだな、言って分かる連中とは思えないからなぁ。
司祭なのか王なのか、はたまた皇帝なのか、それは分からないけど、本人次第って事だろうな。
でも、そう言う奴らは頂点に立ちたがる。
マッドサイエンティストや魔術師も、上を狙う奴らはそう言う資質は持ってる」
「仁さん、外は片付きました。
アメリア様が、これからの段取りをしたいって呼んでます」
「お疲れ様、アイラは怪我しなかったか?」
「はい、リラもシュアンとクレアも大丈夫です」
「そっか、皆んな無事で良かった。
アモン、此奴を見張っててくれ。
メイリン、キロ様も、此奴がふざけた真似したら…」
キロとメイリンが、首を跳ねる仕草で応えた。
そこまでやれとは、言ってないけどな。
ジェスも苦笑いしてる。
アイラと一緒に外へ出ると、1人の兵士を連れたアメリアが待って居た。
しかも、目がお怒り度合MAXだと物語ってる。
「どしたの?勝った割にはご機嫌斜めに見えるんだけど」
「えぇ、私達、危うく一杯食わされる所だったわ」
「どう言うこっちゃ?」
「どうやら、あの魔術師は今回の騒動を画策した首謀者の1人らしいわ。
しかも、仲間を出し抜く気満々のね」
「それは其奴が、そう吐いたのか?」
「此奴だけじゃ無いわ。
現場指揮官やら、分隊長やら、何人もよ」
「話が見えないんだけど」
「此奴等の国は、あっちの世界では国王を頂点とする魔術と科学がそれなりに進んだ国らしくて、周りの国々とは穏健な国王と言う事も相まって、割と平和な国だったらしいわ。
そこへ若手急進派と呼ばれる魔術師達が台頭し始め、何時しか国王や元老と呼ばれる魔術師達をも、言う事を聞かせる為なら平気で脅す様になったと。
その中心に居るのが、あの魔術師って事ね。
そして、昨夜の作戦会議の時に、旗色が悪くなったら自分が殿を務めるから他は先に元の世界へ戻れと。
そして今日、戦闘前には自分がこの世界の王となるから、付いてくる者には大臣の椅子を与えてやると檄を飛ばしたんだってさ。
まぁ兵士達からすれば、付いて来いも何も、割り振られた場所から逃げれば処刑されるから、仕方なく従ってるだけって事で、聞いても居ないのに、貴女が捕まえた魔術師が首謀者だって告発が連続した訳よ」
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