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ブツブツ怒ってるアメリアを連れて洞窟に戻ると、何故か魔術師がアモンの硬直魔法を食らって転がされてた。
「此奴、何かやらかした?」
「メイリンが弱いと踏んだんだろう、飛び掛かったんだけどな。魔法を放つ前に、メイリンに蹴り飛ばされた訳だ」
「でっ、アモンの魔法で終了か?」
「馬鹿めが、メイリンは俺様の弟子だぞ。
そう簡単に、そこいらの野郎に組み伏せられる訳ねぇーわ」
ジェスが、鼻息荒くも得意げに言った。
「ふっ、自分から化けの皮を脱ぐとは、とんだ間抜け野郎ね。
大人しくしてれば、未だ魔法で何処かに行き着く事も出来ただろうに…体の自由が無い状態で次元の狭間に放り出されたら、永遠に彷徨う事になるわ。
っと言うわけで、間抜けな魔術師は、そのまま次元を彷徨って貰いましょ」
「つまり此奴は、次元のデブリか…」
「まぁ、神を愚弄した罪としては、この程度で済むんだから軽い物でしょ」
いや、かなりヘビーだと思うけど…永遠の孤独なんて、考えたくも無い。
ほら、魔術師なんて真っ青になって泣いてるし。
「今更詫びても、無駄よ。
神を謀って愚弄した罪、その魂は永遠に呪われるが良いわ。
って事で、さっさと片付けましょ。
仁、アモンと2人で通路を開けて、先ずは兵士達を向こうへ帰らせないとね」
既に洞窟の入り口には、兵士達が列を作って待ってる。
しかも、自分達の世界を守る為に何を為すべきか、アイラ達から司令官達に伝えられた作戦通りに急進派の魔術師達を一網打尽にすると言う目的を持って。
アモンが通路を開くと、そこへ俺とアイラが魔力を込めて安定させる。
「シュアン、リラ、頼んだぞ。
アメリアを暴走させるな、今のあいつは向こうの世界を破壊しかねないからな」
「まぁ、私達も似た様な感情状態だけどね」
「うん、そうデス」
「シュアンはダジャレが下手だから、私が行こうか?」
「煩い、残念うさ耳」
「キロ様も、無事に帰って来て下さいよ」
「任せておけ」
そう言うと、キロは転がってる魔術師を抱えると、兵士達の後からアメリアと一緒に通路へと消えた。
「今回は、アメリアに汚れ役を押し付けちまったな」
「仁さん、それは違います。
私達では、兵士達に畏敬の念を持たせる事は出来ません。
神の加護を得た、神の軍隊として自分達の世界へ戻る、そうしなければ兵士達は反逆者として罰せられてしまいます。
アメリア様が導くからこそ、この帰還が正義になるんです」
「確かにな…急進派に唆されたとは言え、向こうでも色々とやらかした上での遠征だろうからな」
妙にジェスも納得してる。
「此方の時間と向こう側の時間、どの位ズレてるのかなぁ…。
私達の世界と此処も、かなりズレてましたから、ちょっと心配です」
メイリンが、ポツリと呟いた。
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