森の番人と温泉と

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「それで、その通路はどうするんだ?」 「どうもしないわよ。 このカメオに対してだけ、何時でも通路を開ける様、向こう側と密約して来たからね。 相伝の秘密として、向こう側が危機に落ちたら助けを求めよって。 まぁ、キロが先頭になって散々暴れてくれたから、此方の実力を説明するまでも無く、全て丸く収まったわ」 そう言うと、通路を閉じて魔法を解除した。 「さて、これで一件落着じゃ、キロ殿にはお世話になりましたな。 儂らも、此処から引き上げるとするか」 「シリニカ族にも、報告してやらないと」 「仁殿、その役目は我にお任せ頂けませんか? まだまだ、猩々共を説得する必要は有るが、これを機に人間と森の番人が力を合わせ、この国を守れる様にしたいと思いましてな」 「それは良い事あるね」 「うむ、俺もそう思うぞ」 「じゃぁ、俺達はこのままこの世界からお暇するか」 「「「「「「えぇぇぇっ!!!」」」」」」 「仁、それは無いでしょ」 「そうよ、リラの言う通り。 少しは私達を労って、休ませなさい」 「です、です」 「温泉で、骨休めしたいでーす」 「温泉…入りたい」 「仁さん、少し此処でゆっくりして行きませんか?」 「「「お、ん、せ〜〜ん♪」」」 メイリン、シュアン、クレアがハモる。 「分かった、分かった。 それじゃ、昨日の温泉へ戻ろう」 「仁殿、まぁ待たれよ。 もっと広くて、岩盤浴も出来る温泉があるぞ。 同じ所より、そちらの方が良くは無いか?」 「へぇ、そりゃ興味深い。 キロ様、是非案内して下さい」 「うむ、案内しましょう。 安全な場所ですから、天幕を張れば寝泊りも出来ますぞ」 「仁、あまり長逗留すると、和尚殿がヘソを曲げかね無いぞ」 「アモン様、和尚様はお風呂嫌いですから、この際置いときましょう」 「うん、和尚様が来なくて正解」 「メイリンとシュアンは、酷いあるね。 あれでも妖魔あるよ」 いや、あれでも扱いも、何気に酷いと思うぞ。 「ロンロン、和尚様が来てたら、帰るって煩いから温泉行けないよ」 「あっ、なら来なくて正解あるね」 「おいっ!」 「俺も、温泉は楽しみだ」 マオマオ…お前もか…。
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