グリストルム

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道が草っ原より少し高くなってるから、水没は免れたけど、草地は既に水浸し。 「これじゃ、地上でキャンプは無理だな」 「まぁ、そうね…」 アメリアが、周りを見回しながら同意した。 「過ぎたるは、及ばざるが如し」 シュアン… そのネタは、何処で仕入れた? 「仁様、お腹空きました」 メイリンが、俺の足を尻尾でペシペシしながら訴える。 「私も、ペコペコです」 の割に、ウサ尻尾がピコピコ元気だな。 本来なら、道から逸れた所で魔法空間に降りたかったが、致し方無い。 魔法空間は、入った所へ戻るなんて理だけが、この仕組みの弱点。 これだと、外へ戻った途端に馬車の下敷きに成りかねないから避けたいんだけど。 とは言え、背に腹は変えられない。 俺達は、道の真ん中で魔法空間へ降り、夕飯を食べた。 「アモン様、今日中に戻るのかな? 明日も此処で足止めってのは、避けたいわよね」 まぁ、確かにリラの言う通りだな。 「そうね、私もベッドでゆっくり休みたいわ」 アメリア…お前は魔法空間でもベッドで寝てるだろうが。 「ですよね…ねっ仁さん。 それに、美味しいものも食べたいです」 美味しい物かぁ、戦闘行動食ばっかりが続いてたからな…。 でっ?何が、ねっなんだ? 「アイラは、最後だし」 「シュアン、何で私が最後な訳?」 「じゃぁ、私が1番」 「何でメイリンが、1番なのよ。 1番は私です」 「クレアはブービーだもん」 「何で私が、最後から2番目確定なんですかっ!」
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