グリストルム

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「嫁が沢山居ると、何かと大変ねぇ」 アメリアが、俺の脇腹を突く。 「いや、全部カットアウトすりゃ良いだけだ。 不公平はしちゃダメだから、俺の部屋に侵入防止魔法掛ければ済む」 「ふーん、それは中々デンジャーな思考よね。 まぁ、その件は後からゆっくり話しましょ、兎に角、私はもう休みたい」 言うと、アメリアはパタンとその場で横になった。 その隣で、アイラもウトウトし始めている。 まぁ、あんだけ派手に魔法を使えば疲れるわな。 「シュアン、悪いけど2人に、毛布を掛けてやってくれないか」 リラと2人、銃の分解メンテで手が汚れてるので、シュアンに頼んだ。 それから暫く、メンテナンスに集中してふと顔を上げる。 「あら、3人共完全に寝ちゃってるわ」 何故かシュアンも一緒に毛布に包まって、川の字になってた。 「あぁ〜、折角お茶を挿れたのにぃ」 「メイリン、そう怒るな。 俺達は、温かい内に頂くよ」 リラに、メイリンとクレア、4人でお茶を楽しむ。 「リラのご両親って、どんな人なの?」 暫くすると、不意にクレアが口を開いた。 「どんな人ねぇ…」 リラは何故か、チラッと俺を窺うとクスッと笑ってる。 今のは何故? 「兎に角、オンとオフがハッキリしてるわよ。 家の父親はね。 母は、私がまだ小さい時に亡くなったから、あまり記憶が無いの」 「あっ、ごめんなさい…」 「気にしなくても、いいわよ。 それより、仁の事は兄貴達から話が行ってるはずだから、来るのを首を長くして待ってるんじゃ………」
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