グリストルム

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「って、寝てるし…。 人が大事な話をしてるのに、何で寝るかな」 「仁様、何だかんだ言いながら、皆んなに気を配ってますから、疲れてるんじゃ無いですか」 2人はクレアに同意した。 「グリストルムに着いたら、リゾート地で暫く休みたいです」 「そうね、メイリンの言う通りね」 「グリストルムに、私達の常設拠点作るのはどうでしょう?」 「拠点かぁ…、このまま何時迄も放浪って訳には行かないか…。 でも、仁はこの国をぐるっと周るって言うんじゃ無い? クレアは、そろそろ腰を落ち着けたいの?」 「戻る場所って言うか、グリストルムなら何処へ行くにも道が有りますから便利かな?なんて…。 私は、故郷を捨てましたから、仁様が行くところなら何処へでも付いて行きます」 「そっか。 アメリア様達が起きたら、皆んなでもう一度相談しましょ。 メイリン、無理して起きてなくて良いのよ」 「はぃ…、おやすみなさい」 「クレア、私達も寝ましょ」 そう言うと焚火に水を掛け、リラもその場で横になると、毛布を被った。 「………」 暫くすると… 「愛されてるわねぇ。 でっ、仁はどうするつもりなの?」 「寝てたんじゃ、無かったのか?」 「貴方が言う?」 言われてそっと起き上がると、アメリアは既に状態を起こしてる。 音もなく起き上がるとか、おめぇ〜はどんな腹筋してんだよ。 皆んなから少し離れた位置に移って、お湯を沸かす為の焚火を付ける。 「ベースキャンプ、か…。 メイリンとシュアンは、やっぱ、戻る場所ってのが欲しいのかな」 「そうですね、あの2人にはもう、故郷と呼べる場所が有りませんから」 言いながら、背後から抱きついて来た。
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