41人が本棚に入れています
本棚に追加
「アイラ、おトイレはあっちよ。
お子ちゃまは、未だ寝てる時間でしょ」
「だそうだ、重いから離れろ」
背後から抱き付いたまま、妖怪子泣き爺の様にのし掛かるアイラを引き剥がす。
「ぐぅ…」
「狸寝入りすんな。
もう、魔力は戻ったのか?」
「……未だ、です」
「ったく、だからお子ちゃまは寝てなさいって言うの」
「アメリア様が、底無し過ぎるんです」
「だって神だもん、直ぐに回復したわよ」
「なら、お子ちゃまじゃ無くても」
「私から見れば、アモンだって未だ未だお子ちゃまよ」
「でたな、妖怪発言」
「こらっ、神だって言ってるでしょ。
ってか、アイラは脱線させるんじゃ無いの」
「えぇっ、私?私なの?」
「神ってのは、理不尽なものよ」
「そうだな、世の中の不公平は全て、神の産物だもんな」
「おだまりっ!」
「あんまり騒いでると、皆んな起きるぞ」
「ふふっ、仁さんそれは無いです」
「おま、魔法掛けたのか?」
「私じゃ有りませんよ」
そう言うと、アメリアを指差す。
「ったく、なのに何であんたは起きてるかな」
と、アイラの頬をウニウニと突く。
「魔法防御してましたもーん。
多分やるだろうなって、想像してましたから」
「やれやれ、そんな所だけは勘が働くのね。
でっ、仁は如何するつもりなの?」
「えっ!!?」
「えっ、じゃ無いでしょ」
「いや、だって、流れからしたら…。
まぁ、良いんじゃ無いの。
海辺のリゾートってのも良いけど、こっちの方が何かと便利そうだし、俺は海より山の方が好きだしな」
「ならグリストルムに着いたら、良い場所探しますね」
「アイラに任せるよ」
アメリアを伺うと、同意と肯いた。
最初のコメントを投稿しよう!