グリストルム

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「アイラ、おトイレはあっちよ。 お子ちゃまは、未だ寝てる時間でしょ」 「だそうだ、重いから離れろ」 背後から抱き付いたまま、妖怪子泣き爺の様にのし掛かるアイラを引き剥がす。 「ぐぅ…」 「狸寝入りすんな。 もう、魔力は戻ったのか?」 「……未だ、です」 「ったく、だからお子ちゃまは寝てなさいって言うの」 「アメリア様が、底無し過ぎるんです」 「だって神だもん、直ぐに回復したわよ」 「なら、お子ちゃまじゃ無くても」 「私から見れば、アモンだって未だ未だお子ちゃまよ」 「でたな、妖怪発言」 「こらっ、神だって言ってるでしょ。 ってか、アイラは脱線させるんじゃ無いの」 「えぇっ、私?私なの?」 「神ってのは、理不尽なものよ」 「そうだな、世の中の不公平は全て、神の産物だもんな」 「おだまりっ!」 「あんまり騒いでると、皆んな起きるぞ」 「ふふっ、仁さんそれは無いです」 「おま、魔法掛けたのか?」 「私じゃ有りませんよ」 そう言うと、アメリアを指差す。 「ったく、なのに何であんたは起きてるかな」 と、アイラの頬をウニウニと突く。 「魔法防御してましたもーん。 多分やるだろうなって、想像してましたから」 「やれやれ、そんな所だけは勘が働くのね。 でっ、仁は如何するつもりなの?」 「えっ!!?」 「えっ、じゃ無いでしょ」 「いや、だって、流れからしたら…。 まぁ、良いんじゃ無いの。 海辺のリゾートってのも良いけど、こっちの方が何かと便利そうだし、俺は海より山の方が好きだしな」 「ならグリストルムに着いたら、良い場所探しますね」 「アイラに任せるよ」 アメリアを伺うと、同意と肯いた。
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