グリストルム

10/33
前へ
/633ページ
次へ
「でたぁ、仁様の面倒臭がり発言」 「って事は、何か考えが有るって事?」 「おぅ、のー!止めてよね、此処で足止めなんて嫌よ」 「アメリア様、本当に関わるの嫌そう。 ってか、ちょ、シュアン?クレア?貴女達は露店漁り止めなさい」 「あん?おはねはあったはら、おへぇ」 クレアが、口に詰めたままグゥをして見せる。 2人して口いっぱいに何頬張ってんだよ。 「お前ら、お腹が出ても知らんぞ。 肥って動けなくなっても、助けないからな」 言った途端、後ろ手で手にも待ってたお菓子を屋台に戻すと、無理やり口の中の物を飲み込んだ。 「ゲホッ、のっ喉に…」 2人して喉に詰まらせ、目を白黒。 アイラが、慌てて水を飲ませる。 未だ難しい顔をしてるアモンに。 「どんなに防備を固めても、完璧な城壁なんて出来はしない、つまりこの鼬ごっこは永遠に終わらない」 アメリアが、俺の考えを代弁してくれた。 「ふうむ、確かに、アメリア様の言う通りじゃな。 だから、ツァイトゥンに任せておけか」 「そう言う事だよ。 ヒルヴェラには、他所の仕事に首を突っ込む暇は無いだろ?」 「成る程、成る程」 「うんうん」 おいおい、マジで大丈夫か? メイリンは兎も角、アイラ迄…ヒルヴェラの跡取り娘は大丈夫か? 「仁、苦労するわね」 「ちゃんと躾けてくれよ」 「何で私が!」 「アイラが天界に行った時、苦労するのはお前だろ? 人間は、そんなに長生きしないからな」 「ちょっ、勝手に死なせないで下さい。 私は簡単には死にませんよ」 「じゃぁ、しわくちゃのババァになるの?」 「メイリン?何でそうなるの?」 「長生きすると、歳とるから… アメリア様も、本当は皺々?」 「ふっ、私は神よ」 何故に、そこで勝ち誇る?
/633ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加