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アイラとメイリンは、美の魔法がどうのと新たな展開へ話が流れて行き、2人の世界へ旅に出たので放置する事にして、取り敢えずの宿へ。
「アモン、暫くグリストルムに逗留して、俺達の拠点を作ろうと思うんだ。
明日から、アイラに高原のリゾート地を見て来て貰う予定でいる」
「ふむ、この地なら、何かと便利ではあるな。
しかし、急に拠点とはどうしたんだ?」
「メイリンやシュアンには家が無いからな、このまま根無草ってのも可哀想だろ。それに拠点が在れば今後の活動もし易いかと。
ここなら、訓練施設もベルゲンの工房も、ヒルヴェラの本家も首都も近いからな、魔法で飛べない連中も動きやすいだろ」
「成る程、遂に仁も地に足を着ける腹が決まったと言う事か。なれば、さっそく土地探しじゃな」
「いや、それはアイラに任せたいんだ。
俺が不在の時に、アイラがどんな土地を選ぶのか、それもアイラの経験になるだろ。
これは陣地を構築する際に、どんな地形を選ぶかって戦況を鑑みて判断する訓練になると思うから、アモンは口を出さないで見ててくれ。
リラやアメリアの様な無敵無双な奴らじゃ、そうした事は無理だろう、やはりそうした補佐はアイラじゃ無いと任せられないから」
「ほう、仁がアイラを見に行かせるのは、そこまで考えての事であったか…
アイラが聞いたら、泣いて喜びそうな話じゃな」
こらっ、祖父馬鹿!論点はそこじゃねぇだろ。
「因みに、拠点が落ち着いたら、メイリン達にも学びを与えたいし、アイラにも復学してさっさと卒業して欲しいんだけど」
「そうじゃな、仁も認定を取らねばな。
まあ、お主らなら試験を受けるまでもなく、全員免許皆伝じゃろうがな」
「そんなもんか?」
「うむ、アイラ1人とっても、既に上級魔導師の認定を受ける腕前は持っておる。
メイリンにしても、軽く上級剣導師に受かるじゃろ。
なれば、仁達にとっての資格は、単にこの国に於ける免罪符に過ぎぬものじゃな」
「確かに、師匠がモーハドだの女神だのだから、生半可じゃないか」
「そう言う事じゃ。
しかも、それを実地で身に付けて居る。この経験値は、他の者には真似出来ないからの。
おそらくアイラは、マヒナを超えるヒルヴェラの管理者になるで有ろうな」
あはははっ、それだけは聞きたくなかった。
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