グリストルム

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「ダビード長官に、嫁達全員を認識して貰う事と、その実力を知って貰う必要が有るからです。 それが、リラは安全だって理解して貰う1番早い方法だと思います」 「そう、つまりイグリンド観光がしたいって事なのね」 「はい!……って、そんな事言って無いじゃないですか」 「リラの父親が、リラの安全なんて気にすると思う?」 アメリアは、中々分かってるね。 「だよねー、それにリジからも報告は受けてるだろうから、貴女達の事もね」 「でも、でも、皆んなで行かない」 「はいはい、分かったわ。 アイラ達が戻ったら、皆んなでイグリンドへ行きましょ」 このままじゃ拉致が開かないと、リラが折れて、アメリアも実は行きたかったらしく、メイリンとハイタッチした。 たく、この女神も天邪鬼だな。 「それじゃ、リラはどうするんだ?」 「ん〜そうね、なら私もアメリア様達とアメリカに行ってくるわ。 どうせなら、この機会に火力強化もしたいし」 あはははっ、不安しかしねえ。 食堂へ行くと、先に来ていたアモンに此れからの予定に付いて相談し、食後全員で一旦ベルゲンの工房へ顔を出した。 「桃源郷は、随分と楽しかった見たいね。 温泉かぁ、私は久しく入って無いわ」 「えっ?」 と、ジェスを見やると手を合わせやがった。 「いや、マリア…あれは俺が言い出したんじゃ無いからな」 「でも入って来たんでしょ? 母は哀しい…おいおいおい」 その泣き真似の小芝居居るか? 「アメリア達が、マリアとアメリカに買い物に行きたいんだと」 「あら、何を買うの?」 「武器弾薬」 「それはあっち」 と、自分の後を指でさす。 「いや、ほら他にも色々有るから、マリアと一緒に行きたいだってさ」 「ふーん、例えば?」 「俺に聞くなよ、行きたいのはアメリアとリラとメイリンなんだから」 マリアがじっと3人を見つめると、アメリアとリラは苦笑いし、メイリンが何かを呟くとマリアが"ぷっ"と吹き出した。 「いいわよ、せっかくの嫁達からのお誘いだもんね、付き合ってあげる。 ジェス、武器弾薬も買うらしいから、貴方も一緒に行くわよ」 嬉しいくせに、この人も天邪鬼だな。
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