グリストルム

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「そんな時が来るんでしょうか…」 「仁さんの世界には、自動車と言う乗り物が各家庭に有ります。 それに、鉄道と言う乗り物で旅をしたり、人それぞれのペースで移動が出来ます。 それがこの国に普及するのも、そう遠く無いと思いますよ」 おい!アイラ…何を考えてる。 この時代にそんな物持ち込むなんて、技術が一気に加速しすぎ…。 うわっ!有りえる…ベルゲン師弟なら、やりかね無い、しかも国のお墨付きだ。 あららららっ、エルマが完全に乗っかったぞ。 目がキラキラしてる。 しかし、自動車だの鉄道だの、エルマはイメージ出来てんのかね。 「エルマ、今のアイラの話、理解出来てる?」 「はい、自動車や鉄道には乗った事が有りますから。 ただ、オルテナントにそうした物が出来るなんては考えませんでした」 乗った事有るんか! 「ああ、仁…ヨーロッパとやらはツァイトゥンの長がお気に入りでな…」 おいっ!マジか。 この国はテクノロジーのカオスだ。 って、それを招いた一端は、俺か…。 にしても。 「アモン、今日のアイラはおかしくないか? どうにも、何時ものアイラとは思えないんだけど」 「うむ、そうなんじゃ…」 「まさか、婆さんとやらが取り憑いたり憑依してたりしないよな」 「これ、恐い事を言うで無い。 キアナならさも有りなんだで、冗談にならん」 「あんのかよ! この世界は、本当に何でも有りだな」 「何せ、妖魔もおるでな」 と、アイラから逃げ出して来た和尚がニッと笑う。 妖魔はOKなのに幽霊は恐いのか、クレアとシュアンがススッと後ずさってアイラから離れやがった。 と、アモンも何気に逃げ越しだしな。
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