グリストルム

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「あ、あのさ…アイラさん… 御高説はその辺にして、そろそろグリストルムに戻りたいんだけど… てか、今はアイラなんだよな?」 「へっ?今はアイラって…私はずっとアイラですよ?」 「いや、らしく無いというか、まるで誰かが乗り移ってた様な、と言うか…」 「まさか…それはどう言う…。 さては、お祖父様の入知恵、ですね。 元々私はお祖母様似ですから、それに今まではアメリア様やリラさんと共に行動してましたから、かなり頼ってましたけど、土地探しは私が主体となる必要が有ったので、お祖母様から言われて来た事を…ねっ」 と、すっかり俺の後ろに隠れた形のアモンを、ジトっと睨んでます。 「つまり、土地探しで覚醒しちゃったのか?」 「そうとも言う!」 「なんで、シュアンが応える?」 「アイラちゃんは、マヒナ様を超えたのです」 「だから、何でクレアがそれを言う」 「ほうほう、超えたの? どの辺が超えたかな?皇女様」 ギョッとした顔でクレアが後ろを振り向いたので俺たちも釣られて振り向くと、当のマヒナさんが物凄い笑顔で立ってた。 「あた、いっ、それは…」 「まあ、アイラが一皮剥けたのは、めでたい事だから良いわ。 それで、仁、マリアの部屋を作るって事はマヒナの部屋も有るのよね? 頭の中には、どんな建物にするかデザインがあるんでしょ?」 「へっ?何の事でしょ? てか、ほんと行く先々に現れますね」 「ほぉ、そう来たか。 種明かしされて、ぐぅの根もで無い様になってから認めたい?」 あら、現れるはスルーですか。 「…どんな部屋がいいんですか?」 「そうね、3面採光で日当たりの良いリビングなんて良いわね」 「鉄格子も付けて?」 「中々に、面白い事を言うわね」 と、頬を引っ張られた。 「だって、こうもポンポン来られたら、精神衛生に良くないです」 「へぇ、一応気は使ってるって事かしら?」 「俺は兎も角、嫁ーズは顔が引き攣ってますよ」 「「「ません!」」」 クソッ、何で揃って否定すんだよ。 「でさ、どんな屋敷にするの?」 「屋敷って…どんなイメージなんですか?」 「それを聞いてるのは、私なんだけど」 ったく、面倒な人なんだから。
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