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左の耳に軽いキスをされたかと思うと、彼がなんだか細い声で呟いた。
「さぁて…、いつまで我慢できるかな。」
耳元で吐息のように語りかけられ、自然とピクンとしてしまう肩。
すると、フフンと鼻で笑って左手で胸を服の上からぎゅうぎゅうと揉みはじめた。
「…ん」
思わず声が漏れて、案の定彼はまた鼻で笑った。
「なぁんでご機嫌ななめなんだよぉ~?」
俺が嘘寝していると多分気が付いている彼は見透かすようにしてそう言った。
意地を張り続けて、あくまでも黙秘を続けていると、彼はまたまたフフンと笑って今度は耳たぶを甘噛みした。
「んやっ」
くすぐったくて、やっぱり声が漏れてしまうと、彼は無理矢理俺を自分に向き合う形に動かした。
目を開けまい、と固く閉じていると脇をくすぐられた。
「ふっ、ふふぅっ」
「起きてるんだろ~っ」
うひゃひゃ、と笑いながら脇をくすぐったり首を触ったり。
思わず一瞬、目をパチリと開けてしまうと見事に彼と目が合ってしまった。
「おめざめですかねぇ」
すぐに目を閉じたのだが、やっぱりもう遅くて…。
彼はわざとらしくそう言っては笑い、指で瞼を吊り上げた。
「いーたいっ」
無理矢理目を開けさせようとするから目が痛くなってその手を振り払った。
「やっと起きた…」
涙目で彼を見つめると、やたらと心配そうな顔で、やっぱり眉はハノジだった。
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