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「…ラーメン…」
ラーメン出来たよって言おうとしてラーメンどんぶりを持って彼を見た。
でも疲れているのか、さっきのままの状態で眠り始めた彼。
俺はラーメンどんぶりを二つタライに乗せて食卓に置いた。
「…起きて~っ、ラーメン出来たからぁ……」
多少、テンションが下がりつつあるが、起こさないと麺がのびてしまう。
俺は彼を激しく揺さぶった。
「…んぁ゛う……」
すると彼は顔をしかめながら起きて、俺の存在にきがつくと少し微笑んだ。
「ごっめ、寝てた…」
うん、このすごい短時間で。
「ま、いいから。」
俺は、少し不機嫌気味に彼の背中を押し、食卓に座らせた。
彼はそんな俺の態度を不思議に思いつつも、押されるままに歩き、座った。
「うっわぁー!うんまそーぉ!!!」
俺が不機嫌になっているからか、やたらと褒めてくる。
「さっすがは中華料理屋の息子!!」
「ただのラーメンです。」
「そんなことぁないさ!天下一品じゃん!」
「ふつーのラーメンなんだけど。」
「いやぁぁ。普通なわけがない!オンリーワンだぁぁあ!」
「……黙って食べれないの?」
「…え、…だま……」
「コーンいっぱいこぼしてる。」
「…すいやせん…!」
「……別に……」
どうしよう、なかなか顔が元に戻らない。
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