2.発覚

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「なんで怒ってたの?」 眉を下げながらも優しく微笑んでは、さらさらと俺の髪を触る。 「いや…」 言えない。 それは言えないよ、だってきょうちゃんは絶対に気を遣うもん。 「大丈夫?」 「………だいじょ…ぶ…」 俺の頭を掴み、ぎゅっと自分の胸によせた。 ちょこっと苦しいけど、なんだか暖かくて…… …嫌いじゃない。 「んっ…、悩んでるの?」 頭にまた、押し付けるようなキスをしながら彼が抱きしめる。 「………やんでなんか…」 「…ん?」 「別に…こんなことで…」 「…うん?」 「…なやんでなんか…ない…もん……」 「………こんなこと?」 そっと頭を胸から離して、真剣な目付きで俺に問い掛ける。 やばい。 これは絶対に答えなきゃなんなくなるパターンだ。 どうにかごまかさなきゃ……。 「…そっ、そんな事より!」 俺が目を急に大きく開けて彼の視線をがっちり掴むと、彼はびっくりしたような顔で返事をした。 「どっ…、どした!?」 「…シたいのっ」 「えっ…」 瞬間、彼の鼻の下が伸びた気がした。 .
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