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「なんで怒ってたの?」
眉を下げながらも優しく微笑んでは、さらさらと俺の髪を触る。
「いや…」
言えない。
それは言えないよ、だってきょうちゃんは絶対に気を遣うもん。
「大丈夫?」
「………だいじょ…ぶ…」
俺の頭を掴み、ぎゅっと自分の胸によせた。
ちょこっと苦しいけど、なんだか暖かくて……
…嫌いじゃない。
「んっ…、悩んでるの?」
頭にまた、押し付けるようなキスをしながら彼が抱きしめる。
「………やんでなんか…」
「…ん?」
「別に…こんなことで…」
「…うん?」
「…なやんでなんか…ない…もん……」
「………こんなこと?」
そっと頭を胸から離して、真剣な目付きで俺に問い掛ける。
やばい。
これは絶対に答えなきゃなんなくなるパターンだ。
どうにかごまかさなきゃ……。
「…そっ、そんな事より!」
俺が目を急に大きく開けて彼の視線をがっちり掴むと、彼はびっくりしたような顔で返事をした。
「どっ…、どした!?」
「…シたいのっ」
「えっ…」
瞬間、彼の鼻の下が伸びた気がした。
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