1.出会い

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「はぁ、子供欲しいなぁ…。」 ラーメン作りも終盤に差し掛かり、トッピングしていると彼の淋しげな声。 番組が終了したみたいで、彼はそう嘆きながらソファーにボスンと倒れ込んだ。 多分、無意識なんだろうな。 この時初めて考えさせられた。 子供という言葉。 愛があったら、なんでも乗り越えられると思っていた俺の考えを、見事に覆した単語。 愛があっても、男の子同士ではどうしても乗り越えられないこと。 それは子供を産むということ。 これだけは、どんなに時代が変わっても、きっと変わらないこと。 俺には子供が産めない。 .
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