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野口明夫は、家路への足取りが重たかった。
念願のマイホームを手に入れた…可愛い妻美沙子と出逢えて結婚出来た。
三十才の若さで会社では係長になった。
全ては上手く動いてたはずだったが…その夜はさすがに明夫にとっては玄関の扉を開ける事が重圧になっていた。
「ただいま…。」
玄関でいつもより小さめな声で妻の明美に声をかけた。
明美が産婦人科に行った夜はいつもこうだった…明るい明美が鬱々としている。
結婚三年目で明夫と明美には子供がいなかった。
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