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「…ど…どういう事だ!?」
「あら、パパ大きな声出したら春馬がビックリしますよ。」
出るはずのない授乳を春馬にしながらあっけらかんと明美は今日の出来事を話した。
明美が、不妊治療を終えて待ち合い室で待っているとベビーカーの中でスヤスヤ眠る春馬を見つけた。
引き込まれるように春馬を抱いて明美は家に帰って来たのだ。
「明美…それは…誘拐だよ。」
「でも…すぐそばに若い母親が座ってて目で赤ん坊を持って行って欲しいって言ってたから…。きっと大丈夫よ。」
「…そうなのか…いやでも…。」
明夫まで明美のように暗示にかかりそうだった。
春馬の笑顔を見ていると明夫は我を忘れて幸せに浸っていた。
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