#1 He is a vampire.

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次の瞬間、ぐっと男の顔が近づいたと思ったら、そのまま真央の首筋に顔をうずめる。ワケもわからず疑問の声を上げようとした瞬間、首筋にズキリと刺されたような痛みが体を貫く。 「痛っ…な、に……」 ふわりと甘い匂いが体を満たし、次第に体が不思議と熱くなっていく。息がしにくい。だが、苦しくはなかった。じいんと心地よい痺れが背筋を伝ってくる。それに合わせて四肢から次第に力が抜けていった。しかし、突如自分の下腹部の急所にぐりぐりと圧迫されるような刺激に思わず強張る。男の膝が真央の股間に押し付け、こねくり回していたのだ。そしてそのとき、無意識に自分のモノが半ば勃っていたのだと酔いでぐるぐるしていた真央の頭は理解した。が、それはすぐに押し寄せる快楽の波にもまれわからなくなる。 「はッあぁ…なに、なんっでッあンン!」 布越しに膝で力任せに圧迫させられているだけなのに、真央のモノは下着とジーパンの中で最大級に膨れ上がっていた。もぞもぞともどかしさに耐えられなくて自ら腰を振れば、それに答えるように膝は力強く己を圧迫してくる。 「や…あぅッ…ン、ひゃッ」 いつの間に手を放したのかわからなかったが、男の骨ばった手がシャツをめくり、真央の腰をするっとすべるように撫でる。その手は冷たくて、火照った真央の体には大げさすぎるほどの快感を脳に叩きつける。そのまま胸に上がって息を吸うために、大きく上下運動を繰り返す胸の突起物を撫で回していく。それだけで、真央には十分すぎるのに、男はきゅっときつく突起した乳首を摘みあげた。もどかしさに溢れた愛撫の中で、突如現れたはっきりとした刺激に、真央の目の前は白く瞬く。ちかちかとした刺激が腰を揺らし、背筋をぞわぞわと駆け上がる。もう、ダメ。そう思ったのを感じ取ったのか、男は一際強く膝を真央のモノに押し付けて揺らした。それと同時に、下着の中で膨れ上がっていたものが弾ける感覚を真央は掠れた嬌声を上げながらはっきりと感じる。荒い息に両肩が揺れ、全身は火照った体を沈めるための汗でびしょびしょだった。 「うあッ」 ずるっと何かが体から引き抜かれる感覚にぞわりと四肢が震える。首筋を、べろっと舐められると目の前には涼しげで、どことなく満足気な男がぺろりと舌なめずりをしていた。 「ごちそうさま」 そういうと男はまた、不適に笑った。
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