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しかし八百屋も歩いてみるとなかなか面白いものである。
たとえばこの大根、味が同じでも形が一つ一つ違う。
全く同じものは一つもないのだ。いくら同じ大根でも何かしらが違う。
野菜にも個性があるなあと思いながら歩いて探していると。
「おーい、そうすけあったよ」
「おう、今行く」
そこにはさつまいもが大量に並んでいた。
しかし種類がありすぎる。
長細い種類のもの。
短くて太いもの。
球体に近いもの。
中身まで紫のもの。
「これも個性だな」
野菜には詳しくない。だがこれで合っている。そんな気がした。
「せっかくだし、紫いも使ってみようよ」
「賛成」
「かんぴょうみたいになりそうだけどね」
リクはそうはにかんでレジに向かった。
悔しいがイケメンである。
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