一ノ章。プロローグ、日常。

2/3
前へ
/12ページ
次へ
「さみい」 そう呟いて目をこする。 朝。 今日は一段と寒い。 何故、暖房も付けずに寝るのか。我が家も決して楽じゃないのだ。 カーテンを開け外を見る。 赤や黒のランドセルを背負った子供達がかけてゆく。 気を付けろよ。そう心の中で呟き時計を見る。 無機質なディジタル時計には6:50と書いてあった。 「なぜ鳴らないし!」 急いで洗面所に向かった。 歯を磨き、顔を洗う。 その時だった。 妙な違和感を覚えた。 鏡で顔を見るが何も異常は無い。歯ブラシも見る。だが、自分の物だ。歯磨き粉、洗顔料。全て自分の物。第一、俺はそこまで細かい事は気にしない。さすがに歯ブラシは気持ち悪いが。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加