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「さみい」
そう呟いて目をこする。
朝。
今日は一段と寒い。
何故、暖房も付けずに寝るのか。我が家も決して楽じゃないのだ。
カーテンを開け外を見る。 赤や黒のランドセルを背負った子供達がかけてゆく。 気を付けろよ。そう心の中で呟き時計を見る。
無機質なディジタル時計には6:50と書いてあった。
「なぜ鳴らないし!」
急いで洗面所に向かった。
歯を磨き、顔を洗う。
その時だった。
妙な違和感を覚えた。 鏡で顔を見るが何も異常は無い。歯ブラシも見る。だが、自分の物だ。歯磨き粉、洗顔料。全て自分の物。第一、俺はそこまで細かい事は気にしない。さすがに歯ブラシは気持ち悪いが。
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