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初めて彼ことケイトに会ったとき彼は泣いていた。
当たり前だ小さな体で精一に生きたいという気持ちが、声に溢れて俺に届いた。
彼に出会ってから迷っていたはずの道は拓かれたかのようにあっさりと道に出れた。
彼は泣いていたのに今まは眠っていた。
俺が連れいくには幼すぎる・・・、そう思ったが、彼の小さな手は俺の服をつかんでいた。
無理だ、連れて行けない・・・、だが俺の中で連れて行かなくてはいけない気がしてきていた。
「少年、お前はどうしたい?」
起きていない彼に来ても返事は返ってこないのは分かっていた。
孤児院にでも・・・そう考えたとき、前触れもなく色の違う瞳がこちらをまっすぐに
見つめていた
”つれて行ってくれ”
まるで心意を探るような、幼児にあるまじき強い目力で問いかけて来た
ようにかんじた。
少年は俺が連れて行くしかないと決めた時に再び静かな眠りについた。
どうせ縛られるものは何もない独り身、幸い金にも困っていない。
そうして、俺とケイトはともに冒険者の国であるバレンシートへと向かうことにした。
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