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僕は「そうですね」と一言告げ、戦闘体制に入る。 それとほぼ同時に、沖田さんの雰囲気が変わった。 先程まで、微笑んでいたはずの眼が刺すような視線で僕を見ている。 僕の全身がほどよい緊張に包まれていく。 下手をすれば死を予想させる沖田さんの殺気。 実戦になれば更にそれは強くなり、実際に戦えば更に更に強くなるソレを僕はとても綺麗だと思う。 刹那、目の前に木刀の切尖があった。 瞬時に後方へ退き、防具を着けていない今まともに食らったら骨をも砕く突きをかわす。 沖田さんは強い。 とても、とても強い。 その剣は天才と謳われ、新撰組一、二を争うと言われている。 ヒュンッ 頭上で空気を切る音が聞こえた。 視線をそちらに移すと木刀が僕目掛けて打ち込まれようとしている。 両腕を十字に交差させ頭を覆う様な体制になり、僕は木刀を受け止める。 ガキィンッ 明らかに、普通とは異なる音が響いた。 受け止めた衝撃で、両腕が燃える様に熱い。 腕の隙間から沖田さんの顔が見えた。 沖田さんは笑っている。 とても綺麗で少し幼い様に見える笑顔だ。 敵わない、全く敵わない。 僕は燃える様に熱い腕を押し上げ、沖田さんから間合いを取る。どんな戦術や武術を学んでも、自分に合うと思えるものはなかった。 学べば学ぶほど、身は様々な動作を覚え、いつしかソレは他の戦術、武術と混ざりあい我流、亜流となった。 時と場合に応じて、闘い方を変えるのは基本。 それを基にして僕はある時は剣術、槍術、柔道と戦い方を変えた。 その結果、時と場合により必要な武器も違ってくる、より沢山より多くの武器を使える様、使いこなす様になった闘い方…。 僕は右手を左肩近くで構え素早く振った。 同時に沖田さんは木刀を構え自分に向かってはなたれたソレを叩きおとす。 派手な音を響かせソレ…三本のクナイが床に落ちた。 「やはり、いつ見ても面白いですね」 また、沖田さんが笑っている、先程よりも幼い笑顔だ。 僕は再び構える、両手にクナイを三本づつ 着物の内には大量の武器を忍ばせてある、これが僕の戦い方。 「かかって来て下さい。暗器使いさん」 僕は床を蹴った。
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