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------山崎烝------ この面子を揃って見るのも、えらい久しぶりやな…。 目の前に座る四名を見ながら俺はふと思った。 「ふぁ~…土方くーん。私もう寝ていいですかぁ?」 「…門限破りが言う事か?…」 「まぁまぁ、トシ。何も雷鳴だってわざと遅れて来た訳じゃないのだから…」 「そうですよ。雷鳴さんはちゃんとやるべき事をやったんですから…」 新撰組を束ねる最高幹部達。 局長、総長、副長、優長、こうして改めて見ると何とも言えんお人らが集まっとる。 「だぁ~かぁ~らぁ~!!遅くなったのは例の長州側に我々の情報を流していた物乞いを捕らえる為!。わざと逃がしていたのは奴が長州の連中の居所に逃げていく可能性を狙ったんですってば!!さっき、斎藤君と藤堂君が報告に来た時も説明したでしょう…土方君はいつからそんな理解力の無い子になったんですか!?」 いかにも傷付いた表情をしている 優長、雷鳴幸一。 「…おい。何が『いつからそんな子~』だ!!?ふざけるのもいい加減にしやがれ、雷鳴!!」 額に見事な青筋を浮かせて、鬼の形相で優長を睨み付けている 副長、土方 歳三(ヒジカタ トシゾウ)。 「おやおや。私はこの内で一番年上ですよ、ふざけてなどいません。土方君は私と同じくらいの美しい顔をしているんですから、もっと笑って笑って!♪」 背筋がゾッとした。 何でこの人はむちゃくちゃ真剣な顔でそんな事言えるんや?
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