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「…………」
依然無言の少女。これはつらい。
話しかけてしまった以上このまま帰るわけにはいかない。
だからといってずっとここにいるわけにもいかないし……う~んどうしたものか。
「……名前……教えて」
悩んでいるとやっと少女がしゃべった。
「名前って俺の名前?」
少女はこくんとうなずいた。
「えっと、俺は十河慎太っていうんだよろしくね」
とりあえず言われた通り名乗ってみる。
「…………」
だが反応はない。
ど、どうすればいいんだ。
この子にも名前聞いたほうがいいか?
いやでも少女に名前聞くのっていうのは……いやいやなんでも犯罪になるわけじゃないし神経質になりすぎか、そもそも俺が名乗ったんだから聞かないと相手にも失礼って言うか、いやでもしかし……
「……ルーミエル」
俺が気持ち悪い思考をめぐらしていると少女が何かをいった。るーみえる?
どういうことだ?
「私の名前」
そこまでいってようやく理解。
ふむ、碧眼にこの名前とくればおそらくは外人さんか。
誰だよ電波さんとか言ったやつ。
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