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早朝、鳥の鳴き声がモーニングコールとなり、総一の意識は覚醒を遂げる。
うっすらと目を開けば、すでに慣れ親しんだ“見知らぬ天井”が目に入る。
今から三週間ほど前、人の気配を感じて目を開けてみれば、メイド服や執事服の者があくせくと動き回っていた。
“目を疑う”とは正にこのことだった。
目を覚まして見知らぬ光景が目の前に広がっていたら大抵の人は未だ自分は夢の中にいるのだと思うだろう。
もちろん総一もこの光景を夢だと思った口だ。しかし生憎頭はフル回転していたし目も冴えきっていた。
これは決して夢でないのだ、と総一の中に諦めに似た感情が湧いていた。
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