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現実的に考えれば夢、もしくは何らかのアトラクションの類と考えるのが妥当な線。
ただ数週間寝た上に意識ははっきりしている。危ない薬でも盛られたとなれば話は別だがそれもないだろう。
となると、と非現実的な方向に思考を走らせる。
娯楽小説や、よくあるRPGの受け売りではあるがこれは何らかの条件の下、異世界へと来てしまったのだろうか?
―――笑えないなあ。
口元がひどく歪むのが自分でも分かる。
今の段階どうとも言えないが、後者、すなわち異世界云々が可能性としては高い気がする。
と言うか多分、きっと、十中八九そうなのだろう。
ここからはそういう前提で考えよう。
色々と考えながらも、歩くペース、盗聴器及び監視カメラの回収の手は緩めない。
最後の仕掛け、と無駄に高価そうな置物を持ち上げ-----そこでやっと気が付く。
「………だれ?」
「………」
廊下の端にシンプルな青いドレス服に身を包んだ少女が、目を白黒させた様子でこちらを凝視していた。
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