目覚めの朝、賢者の話

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いつまで経っても眺めているだけなのでエリシオンから飴を取り上げる。 途端、泣き出しそうな表情を浮かべる。 ―――勘弁してくれよ。 袋の両端を引っ張り飴を出してやる。 「エリシオン様、こちらは食べ物です。お口を…失礼」 「え?……んむ!」 泣きそうな表情は驚きへ、次第にとろけたような表情と変わっていく。 「あ、あまいわ!」 「ええ、それが飴ですから」 まあ今では酸っぱい物や辛い物などと沢山あるが。 ふと視線をやれば、エリシオンは口をもごもごさせながら、こんなの初めてだわなどと呟いている。 「リューグナー!すごい!私、世界について俄然興味が湧いてきましたわ!」 「それはよかったです。」 本当に良かった。単純で。 「そうだ!興味があるのでしたら是非とも旅の話でも…。そうですね、ここではなんですし…、よろしければエリシオン様のお部屋へお邪魔しても構わないでしょうか?」 「ええ、構いませんわ!」 すっかり俺を信じ込んでいるのか、エリシオンは満面の笑みで自室へと俺の手を引いて行く。
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