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学校から家へ帰っている途中、猫に出会った。
「猫・・・」
その猫は真っ白だった、夏の、こんなにも暑い中
その猫は雪のように白かった。
僕は、動物が嫌いだ。
無視して遠ざかりつつ家へ向かう。
『何で避けたの?』
声がするが無視をした。
『別に引っかきもご飯をねだろうって気もないよ』
「じゃあ何で付いてくんの?」
『珍しいなと思ってさ。』
「あっそ、俺猫嫌いだからこないでよ。」
『まぁ待ってよ、人間と話すなんて久しぶりだから嬉しくなっちゃってさ』
「はぁ?・・・え、っていうか今久しぶりって言った!?」
僕は思わず振り返った、さっきの白い猫だ。
驚いた、自分のほかにも話せるやつが居るなんて。
『うん、言ったよ。あたしが産まれた1年後くらいかな?てかあんた大丈夫?』
「その人・・・どこにいるの。」
『わかんないよ、今の飼い主の爺ちゃん?だったかな』
「嘘だ・・・信じられないよ・・・猫のいう事なんか信じられるか!」
『ふん、いいさ別に。じゃあね』
猫は行ってしまった。
本当に僕の他にいるのだろうか・・・。
柏木家
「ただいま、と」
『おかえり』 「おかえりなさい」 <おかえり~!> {ZZz...} 【待ってたぞ】
「うん、ただいま、皆」
お母さんはまだ帰っていないのか・・・、いや帰ってこない方が良いな。
「皆さ、僕の他にこうやって会話できる人がいると思う?」
『知らないな』
<そんな人いないと思うよ~?>
【知らぬ】
「・・・だよね、やっぱりあれは嘘だったんだ」
【何かいわれたのか?】
「いや、帰ってる途中にさ猫に言われたんだ。他にも居る、みたいな事を。」
【そうか・・・】
「何か知ってるの?」
【いや・・・知らぬ】
あの物知りな時計が言うのだから居ないのだろう。
居たら・・・どんなに良かっただろう。
誰か、居ないかな。
仲間。
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