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いきなり、金属特有の短い音と銃声が響く。
リザはなかなか来ない衝撃に疑問を持ちゆっくりとその固く閉じられた瞼を開いた。
そこには、サーベルを手放した女と彼女の後ろには銃を持った金髪蒼眼の男がいた。
「ホークアイ中尉!無事っすか!?」
軍事復帰したジャン・ハボック少尉の姿があった。
リザは一発、女に発砲するとハボックのもとに駆け寄る。
「ハボック少尉!助かったわ」
リザの口調は安堵していた。
そして、女のほうを見る。
「あの人…まるで人造人間のように銃が効かないわ…何度も再生する」
ハボックは「え…」と小さく言うと、リザの細い腕を掴むと走り出した。
「とりあえず、逃げましょう!俺達が抵抗しても敵うわけがない!!」
ハボックの下半身不随はもとはといえば人造人間のせいである。
当たり前の行動だろう。
リザも何発も撃ち込んだのに、相手は全く怯むどころか平然としていた。あの時はロイが来てくれた為、何とかなったが。
今は、普通の人間二人だ。錬金術師が一人もいない。
女は欝陶しそうにすると、サーベルは横に振った。すると、風圧が生じた。
「うわぁ!!」
ハボックはリザを抱え、伏せる。風圧に煽られた木々はきれいに切られていた。
それを見た二人は真っ青にする。
「とにかく、ここは一旦退避よ!!」
普段のリザとは想像つかないほど、焦っていた。
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