序章

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そして人造人間との戦闘の後、彼とその部下達は殲滅されたイシュヴァールの地へと向かった。 荒れ果てたイシュヴァールの地は緑などなく砂が辺り一面を覆っていた。 その風景に彼とその副官は胸を痛めた。 彼…ロイ・マスタングは副官であるリザ・ホークアイに命令を下す。 「ホークアイ中尉。君とその部隊は東に向かって視察をしてこい。」 そしてロイは他の部下にも命令を下す。 「ブレダ少尉は北、ファルマン准尉は南へ向かえ。私は西へ行こう。フュリー曹長は各部隊の通信の管理を頼む。」 ロイは手に錬成陣が描かれた手袋…『発火布』を嵌めて歩き出した。 彼の部下は敬礼し、見送った。 その様子を伺っていた者達がいた。 それらは独特の服装を纏っている。 「あれがあの『イシュヴァールの英雄』か?」 一人の男が呟く。隣にいた露出の高い服を着た女が頷く。 「えぇ、そうよ…」 また別の男が呟く。 「なら、丁度いいじゃねぇか…俺達の被験体になってもらおうではないか」 そう言うと、一瞬の間に姿を消してしまった。
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