朔谷くんがやってきた。

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 この状況を想像して、あの校長は相当面白がっていたに違いない。  むしろ見られていたら学校中に聞こえるぐらい爆笑してただろう。 「ハッ!!」 “さすがに監視カメラとかこの部屋ついてないだろうな……”  しかねない気持ちもあったが、それ以上考えると吐き気がしそうだった柚流はフルフルと頭を振った。  そして目の前の呆然とした青年に目を向ける。  視線が交わると、青年の目がオロオロと動く。 「えーと、初めまして。まぁ、とりあえず君は自己紹介の前に一言あるよね?」  青年にもそれなりの事情があって、ほとんどがあの校長の責任だとは理解しているが、被害も被害で不機嫌さは隠しきれない。  まぁ我ながらいい笑顔で言えたと思う。 「えっ……あっと……す」 「す?」 「すみ…ませんでした」  まだ情緒不安定な面もあるみたいだけど、これ以上は待つのも面倒くさいし何より今柚流は書類のことで頭にきていた。 「よくも女だとかなんだとか言って暴れた上に、大切な書類までバラバラにしてくれたねこのイケメン野郎本当ムカつくわ。  許してやる」  全く言葉がかみ合っていない。 「…………」 「じゃぁ。自己紹介しようか。俺は宮下(みやした) 柚流(ゆずる)。2学年でこの学校の生徒会長を務めてます。ちなみに、男だから! はい、君の番」  嫌味たらたらで生徒会長と男の部分は強調して睨みを利かせた。  バツが悪そうに青年は口を開く。 「えっと…俺は朔谷(さくや) (まこと)です。明日から転校することになります。……一年です」 「ハァ!? 一年生!?」 「えっ…はぃ」  柚流はてっきり2年生か3年生だと思っていた。てっきりつか絶対的に…  それもそのはずで、柚流の学校はついこの間入学式終わったばっかりでやっと新入生歓迎とかなんやらが一段落ついた時期なんだ。
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