朔谷くんがやってきた。

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 ちなみに、まるで柚流が勘違いしている人みたいに言われているが、それは違う。もとはと言えば朔谷から仕掛けてきたことなんだ。  そんなことを朔谷が理解しているわけもないんだけど… 「ほらまた! そうやってすぐ人を殴る!! よくないですよ~綺麗な顔して…」 「朔谷くんはイケメンのくせに本当に残念だね」  最初ちょっと見とれてたのがバカみたいだ。  そういえば綺麗な顔って……地味にコレ二回目だよ… 「朔谷くん。朔谷くんってば好みじゃない人の顔褒めるんだね。ホント訳わかんない」  とりあえずムカつきを通り越してしまった柚流は何かにつけて嫌味を言いたくなった。  だが、朔谷が嫌味を嫌味としてとるわけもない。 「だって柚流先輩すごい整ってる方だと思いますよ? 性格はあれですけど顔は綺麗ですよねホント。だからちょっと味見してみようかと思ったのに…」 「おいおいおいおいおいおいおおおおい!」  逆に、さらに意味深な発言が返され、余計なリアクションに体力が奪われていく。  ついでにもう一発殴ってやろうと拳を振り上げた腕は、朔谷の手に掴まれた。  さすがに、四回目は無理か。 「いやだから、性格が凶暴なんでタイプじゃないんでもうしませんから。ホントすみませんでした! だからもう何回も殴ろうとするの止めましょうよ! あれめっちゃ痛いんですよ……」  なんかムカつく。  凶暴凶暴って…  人をすぐ殴る奴みたいに言いやがって。  もう一度殴ってやろうと拳を握ったところで、朔谷の口が開いた。 「っていうか、今更なんですけど、先輩なにしにここに来たんですか?」 「……ぇ……」  それは俺に聞かれても…むしろ何も聞かされてないし…  いや、そういえばあの我儘校長は最初に人を連れてこいって言ってたっけ…
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