朔谷くんがやってきた。

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 いやいや、名前に気を取られている場合ではない。 「いやいや、じゃぁその間、俺の存在はどうなるんですか!?」  その間の授業を俺は受けられないということだ。  あとそれよりも、あの生徒会の膨大な仕事はどうなるんだ。  1か月といわず、三日でも放置すると取り返しがつかない。  もともと仕事をするために授業を休みがちだったし、そっちよりもこっちの方が問題なのだ。  まぁ、生徒会長だからなんだけど……  行事が重なった月には、登校日数ヤバかったな……  まっそれに、俺は勉強はできるからな。勉強は。 「まぁ、もともと君は結構休んでいたから出席とかは気にしていないけど……さすがに生徒会の仕事を全部俺がやることになるのは嫌なんだよね。だから、半分はやってもらう。いつも君が授業中休んでこなしている仕事はこっちが受けもつから、放課後からの仕事をいつも通り、生徒会室で行ってほしい」  もっと分かりやすく、簡潔に言ってほしい。  校長がフッと息を吐いた。 「つまり、昼間は何も気にせず女装して誠をフォローして過ごして、放課後になったら女装をやめて生徒会室で、さもずっと生徒会室にいたかのようにしていればいい。それなら、他の生徒とか副会長とかにもばれずに過ごせる」 「理解したくないけど理解しました。プランに関しては……」  しかし、まだ柚流には許せていないところもある。 「ただ女装は絶対なんでしょうか……」  そこが問題なのだ。  柚流のプライドはとにかくその女装が許せなかった。 「もちろん。ちなみに、君のこともだけど、誠が女性恐怖症とかゲイとかもろもろバレたらダメだから。ばれた時点で、誠との取引は無くなる。柚流君が女装していたことも全校に放送入れる」  おいおいハードル高すぎるだろ!   特に最後!!
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