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「えー、と。まぁ、よろしくたのむよ。君ならどうにかできると思うし」
「えっと、全く話がわからないですけど。校長先生は頭おかしいんじゃないですか?」
「…………。」
校長は無言で俺の言葉を聞き流すと、突然俺の腕を引っ張り無理やり校長室から引きずり出した。
「えっ!? ちょっと、まっ…うわっ!!」
ぺいっ
軽く投げられ、柚流は受け身も取れずに思い切り顔から転んでしまう。
「ぃったぁ……」
恐る恐る鼻に触れるが、とりあえず鼻血は出ていないらしい。
でも絶対明日たんこぶできてる。
「期待してるからね」
見向きもされずそう言い残され、バタンと扉がしまる。すぐさま鍵がかけられた音が聞こえた。
抗議・抵抗は受け入れない。だからこそ、この校長は面倒くさいんだ。
でも、俺はそれを甘んじて受け入れる事しか出来ない一生徒なわけで…
え?
生徒会長の権限?
そんなの何の力もないんです。校長にとっては、ただの一生徒と同じなんです。
しかたなしに、立ち上がると俺は自分の寮へと踵を返した。
この学校には二種類の寮がある。
1つはスポーツ推薦や学資推薦で県外から来た人達の為のもの。
そして、もう1つが生徒会用の寮だ。(今、俺が向かっている)
生徒会用といっても、会長・副会長・会計・書記とか役名のある主要メンバーだけ。
それで、なぜそんなものがあるかっていうと…
因みに俺も、この学校の…それも生徒会に入るまでずってわからなかっけど……
“完璧にあの校長のお陰です”
抗議・抵抗を受け入れないのはもちろん。さらに、あの校長は訳の解らない行事を無理やり月初に押し込んだり止めさせたり! しかも、押し込むだけで細かい段取りなんて全く考えていない。
それも生徒会の仕事なんだそうだ。
自分の思い通りにならないことなんて絶対に起こさない。
一言でいうと、かなりの我儘なんですよ。
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