第一夜 「黒主学園夜間部」

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優姫の頬は一気に赤くなった。 『はい…大丈夫です!』 ばばっ!! 優姫は勢いよく立ち上がった。 じろ じろ じろ 普通科の女子達が一斉に優姫を羨ましそうに見ている。 優姫は前髪を触っている。 くす… 『君はいつも僕にかしこまっているね 少し寂しいな…』 枢は少し悲しげに笑っている。 『あっ…いやっ…だって』 優姫はアタフタしている。 『枢センパイは私の命の恩人ですからっ』 この人は 玖蘭 枢(くらん かなめ) 夜間部の クラス長で『月の寮』の寮長 そして 《十年前の 雪の日の…》 《私を 助けてくれた あの男の子…》 『もう 気にしないで そんな 昔の事…』 枢は優姫の頭に手を置きながら言った。
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