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「怒ってたねー、お父さんとお母さん。」
部屋で、荷物の整理をしている結衣ちゃんの背中に声をかけた。
あたしは特に何かを手伝う訳でもなく、近くにあった赤ちゃんの肌着を広げてみた。
とても小さくて、柔らかくて。
「仕方ないよ。
1年ぶりに帰ってきた娘がコレだもん。
家に入れてくれただけでありがたいよ。」
自分のお腹を撫でながら、結衣ちゃんは苦笑する。
「男の子?女の子?」
「聞いてない。
元気ならどっちでもいいから。」
「ふーん。でも名前どうするの?
性別知ってたほうが考えやすいでしょ?」
「まー…、ぼちぼち考える。」
再び荷物の整理を始めた結衣ちゃんの背中をじーっと眺めた。
「…結衣ちゃん。」
「んー?」
「…相手の人、森田さんじゃないの?」
「…じゃないのー。」
背を向けたまま答えた結衣ちゃん。
…なんか変な感じ。
森田さんは?
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