10人が本棚に入れています
本棚に追加
だったら
ずっと伏せておいて欲しかった。
言わなければ、俺が知る事なんてなかったのに。
こうやって、隠れて探したりなんてしなかったのに。
母さんを
ずっと母さんだと思えたはずなのに。
どうして俺にわざわざ話したりしたんだろう。
……。
…あーあ。
関係ない、とか…大嘘だ。
めちゃくちゃ気になってんじゃん
俺。
アルバムをめくりながら、ひとりで苦笑いを浮かべてしまった。
ふと
床に積み上げたアルバムの中の
一冊に目が止まった。
小さな紙切れが、はみ出していた。
手を伸ばして、ピッと引き抜いてその紙を見た。
小さな文字が、書かれてあった。
「……メアド…?
…yui-_-1201pippi…
………ユイ…?」
自分と同じ名前の含まれている
奇妙なメールアドレス。
胸に込み上げてくる、不思議な感覚。
無意識に、携帯に手を伸ばしていた。
だけど
俺は最初から分かっていたのかもしれない。
この不思議な巡り合わせが
運命であることが。
俺は……
最初のコメントを投稿しよう!