†1 僕の時間。

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だったら ずっと伏せておいて欲しかった。 言わなければ、俺が知る事なんてなかったのに。 こうやって、隠れて探したりなんてしなかったのに。 母さんを ずっと母さんだと思えたはずなのに。 どうして俺にわざわざ話したりしたんだろう。 ……。 …あーあ。 関係ない、とか…大嘘だ。 めちゃくちゃ気になってんじゃん 俺。 アルバムをめくりながら、ひとりで苦笑いを浮かべてしまった。 ふと 床に積み上げたアルバムの中の 一冊に目が止まった。 小さな紙切れが、はみ出していた。 手を伸ばして、ピッと引き抜いてその紙を見た。 小さな文字が、書かれてあった。 「……メアド…? …yui-_-1201pippi… ………ユイ…?」 自分と同じ名前の含まれている 奇妙なメールアドレス。 胸に込み上げてくる、不思議な感覚。 無意識に、携帯に手を伸ばしていた。 だけど 俺は最初から分かっていたのかもしれない。 この不思議な巡り合わせが 運命であることが。 俺は……
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