歪み

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CDのトラックが4にさしかかった頃、でかける支度は整った。 いつものバッグを肩にかけ、両耳にイヤホンを装着する。流す曲はゆったりとしたものだ。 玄関を開けて外に出ると爽やかな風が俺を出迎えてくれた。 「選曲はバッチリだな」 あまりの心地よさについ口から漏れ出てしまった思いを他の人に聞かれていないかとあわてて周りを見渡すが誰も居なくてホッとする。 さて、と気持ちを改め俺はいつもの集会所まで歩き出した。どうせ今日も雑談で終わってしまうのであろうが… ふと何気なく空を見上げると青空が広がっていた。 あの“壁の向こう”も同じ空が広がっているのかと思うと、俺の眉間に皺が寄る。 俺らがあの壁を壊し、平和という物を掴むのはいつになるのだろうか。 足取りが重くなる中、新たな一日の風が俺を慰めてくれているような気がした。
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