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激痛に悶える店主と床を塗り潰した血だまりを見下しながらヘイトはゆっくりと口を開く。
「それがどうした?
言えば助けると俺が一度でも言ったか…このドカスが!!」
目の前にいる男に慈悲の心など欠片もない。
それに遅かれながら気付いた時には、顔は蒼白に染まりきり血液はほとんど残っていなかった。
そんなことは御構い無しと言わんばかりに、金色の太刀が店主の身体を左右に斬り分ける。
「あぼっ!」
何かを言いかけたのか、空気が漏れたような音が店主だったものから発せられる。
しかし、そんなことは御構い無しにヘイトは狂ったように直線を肉塊の上に描き続ける。
複数の肉塊となってしまったモノを邪魔臭そうに一瞥すると、空きての方を肉塊が地面に落ち切る前に突き出した。
「この世から完全に消えてなくなれぇ!!
-火炎魔法(フラム)-」
拳を少し大きくした程度の火球が数分前まで店主だった肉塊を焼き始める。
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