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「ほ、他に調べることがなければ…」
ドモりながらも…臆しながらも懸命に言葉を紡いでいく。
「すまないな。
では、これを頼む。」
しかし、無情なことに後少しのところでクラダの紡いだ言葉が両断された。
「は、はい、喜んで!!」
ミーシェの機嫌を損ねない為に元気良く返事をしつつ調査を再開する。
しかし、読み始めようとした矢先にある違和感に気付いた。
「ミセリアさん、これ間違ってます。
属性の本じゃなくて騎士団の歴史の本ですよ。」
ミーシェが渡した本は、これまでの属性について書かれたものとは違っていた。
「あぁ、属性の変換に対しては答えは出たからな。
十中八九、属性変換の技術は存在するだろう。」
唐突な結論にクラダの思考が停止する。
彼の見落としがなければ、属性変換の技術の記載はなかった。
だが、それにもかかわらずミーシェは在ると答えた。
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