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「…らっしゃい…」
店主と思われる無精髭のいかつい男が無愛想に旅人を迎える。
その様子から店主も、旅人のことを不審に思っている一人なのだろう。
もっとも、店内は寂れているので誰に対しても似たような態度なのかもしれない。
旅人は品定めをするかのように店内を一瞥する。
店内にあるのは全てサーウィンボード用のボード。
乱雑に置かれていたり、壁に掛けられていたり陳列方法は多種多様だ。
「俺はロベルト先生の教え子だ。
先生が購入したのと同じ風属性を扱えるようになるボードを売って欲しい。」
要点だけを簡潔に伝えると先程までは険しかった店主の表情が弛緩した。
「なんでぇ…
あいつんとこの生徒さんけぇ…
ちょいと、待っときん…」
旅人の身元が割れて緊張の糸が切れたようで喋り方が幾分か柔らかくなった。
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