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狙いを外して棚に突き刺さった太刀の刃先が時間を巻き戻したかのように元の形へと回帰する。
「てめぇのようなカスが精霊力の真理に手を出してんじゃねぇよ。」
柄を強く握り締め、切れ味を確かめるかのように振り回す。
「あんた…何者や…」
恐怖に打ち震えるで後退りしながらも心当たりをぶちまける。
「俺は…ヘイト…唯のヘイトだ。
名前も居場所もドカス共に奪われた!!」
ヘイトと名乗った旅人は、声を荒げると黄金色の刃を店主の胸元に向けて突き出す。
しかし、店主も命が懸かっているので必死に抵抗する。
数あるボードの中から一際分厚い鉄製のボードを手にとって構える。
その様はジェラルミンの盾を構えてるようにも映り、破壊するのは容易ではないだろう。
しかし、その予想を覆して黄金色の太刀は、鋼鉄製のボードが存在しないかのように貫通する。
そして、その先にある店主の胸部をも容易く貫き刃先を真紅に染め上げる。
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