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「ハッハッーー!!
錬成に錬成を重ねた霊鋼(たまはがね)の刃だ。
そんなゴミ屑で防げきれる訳がねぇだろ!!」
鋼鉄製のボードを足蹴にしつつ、太刀をグリグリと回しながら傷口を抉る。
その度に出血は酷くなり、それに比例しても痛みも雪達磨式に増して行く。
「ぎぃぃやぁぁぁ~
た、助けてくれ…金ならやる…なんでもやるぅぅぅ!!」
終わることのない激痛の波に耐えかね、全てを投げ捨て命を請う。
「例のボードに付いている精霊石の出処を教えろ。
貴様が精製したもんじゃねぇってのは分かってんだ。」
口では折衷案を出しつつも、ヘイトは手を止めることはない。
その手に握られた太刀は回転を止めることなく、尚も傷口を抉り続ける。
「ゆう…ゆうけやめれ…
あの石は魔族の知り合いと交換しだんやぁぁぁ…」
魔族と言う意外なキーワードが出ても、ヘイトは顔色一つ変えない。
それどころか妙に納得したかのような表情にすら見える。
「ゆうた…確かにゆうたでぇ…
だから、だずげ…でぇぇ…ぐだざぁぁい…」
未だに傷口を抉り続けられる店主は激痛からの解放されたいが為にヘイトへ媚びらう。
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