5161人が本棚に入れています
本棚に追加
/692ページ
「本当に相変わらずだな…君は…」
ヘイトの背後に彼と同型の黒ローブに身を包んだ者が舞い降りる。
性別、姿はローブで姿を隠しているため分からない。
身長はヘイトより頭一つ低く、声も優しく澄んでいるため性別の特定すら難しい。
「あぁん?
俺様のやり方に文句でもあんのか…氷野郎。」
振り向く代わりにヘイトは、ありったけの殺気で応える。
「君が学園から追われたのは過剰なまでの暴力を咎められたんだろう?
そして、それを改めずに今回も溢れ出る感情を抑えきれずに繰り返す…」
澄みきった声が紡ぐ事象は全てが真実だった。
かつて、ヘイトはリュオ達と同様にロベルトの下で学んでいた。
しかし、自身が落ちこぼれと見下しているリュオに遅れを取ったとき…
ヘイトは全身から猛る憤怒の感情に従って故意にリュオを殺そうとした。
それが大きな問題となって、ヘイトは全てを失った。
力のある家の名前も…彼に従い付きまとう取り巻き達も…
最初のコメントを投稿しよう!