5161人が本棚に入れています
本棚に追加
/692ページ
「落ちこぼれのカス野郎の前に貴様から消してやろうか?」
振り向きざまに間合いを詰めると利き腕で胸倉を掴み、声に怒気を纏わせる。
それだけに留まらず、ヘイトは同時に腕輪を起動させる。
「質量を無限に増大する腕輪…ドラウプニル。
それが無ければ君は霊鋼を錬成出来ないんだろう?」
その言葉で胸倉を掴む手から僅かばかり力が抜けた。
「そう…それでいい。
ここで揉めれば、それは君のものではなくなってしまうんだから…」
更に続けて出た言葉に胸倉を掴む手が乱暴に外された。
「チッ…本当にムカつく野郎だな。」
「それで知りたいことは分かったのかい?」
尚も悪態をつくヘイトの言葉が聞こえていないかのように質問を被せる。
「…確定だ。
この辺りに魔族…あの野郎がいやがる。」
当のヘイトも何を言っても飄々としている本人を目の前にして話を進めることにした。
最初のコメントを投稿しよう!